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ちゃお
2020年、数々の賞を受賞したこの漫画をあなたはご存知ですか?
和山やま先生の「夢中さ、きみに。」です!こちらは、2019年2月に東京ビッグサイトで開催された同人誌即売会『COMITIA127』で頒布された同名タイトルの同人誌が『月刊コミックビーム』の編集者の目に留まり、書籍化されたものです。
その後、第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞、第24回手塚治虫文化賞短編賞を受賞します。そして、2021年1月からは、ドラマ化が決定しています。
そんな「夢中さ、きみに。」ですが、ネタバレ感想を書いていきたいと思います!
内容は?
この漫画は、大きく分けて「林編」「二階堂編」の2部で構成されています。
林編…超変人・林くんの周りで起こるほのぼの漫画
二階堂編…ジメジメした不気味なオーラを纏い、みんなに気味悪がられている二階堂と前の席の目高の漫画
同人誌に収録されていた林編4話と、コミックスのために書き下ろした「二階堂編」3話です。
それでは1話づつ、あらすじと感想を描いていきます!
【林編】あらすじ・感想
この漫画は、大きく分けて「林編」「二階堂編」の2部で構成されています。
1話「かわいい人」
あらすじ
中高一貫の男子校に通う高校2年生の江間の隣席には、「林」がいる。林は変なやつで、ことあるごとに「僕かわいい?」と聞いてくるのだ。
ことの発端は、体育祭の借り物競走で、「かわいい人」というお題を引いてしまった江間が、何故か網に絡まれていた林を連れて行ったことから。
一ミクロンも可愛いと思えない江間だったが、隣の林を観察していくうち、心境に変化が訪れる。
ネタバレ感想
もう最初の「網に絡まれている林」くんの意味がわからなすぎて、本当に可愛い…それをパリコレで表現するテンション低めな江間のセンス素晴らしいです。
ゴロが拾えなくて野球部を辞めたエピソードから、とんでもないポンコツだったんだろうなと思いますが、特に自信を失うこともなく、暇つぶしに必死になっている様がすごく面白い。面白いっていうか、なんかもう前衛アート見てるような気持ちになります。なん、何、、?この人…最高…
和山先生独自の天才の発想というか、奇想天外・摩訶不思議な世界観が十二分に味わえるお話です。変人というか、極度の天然な林くんが、着ぐるみで実家の中華屋のクーポンを持って江間の家に来た時、林くんに実家とかあるんだ…と不思議な気持ちになりました。(当たり前)
中華があんまり好きじゃないのも、林くんっぽい。クスっと笑えて林くんの魅力がよくわかるお話でした!
2話「友達になってくれませんか」
あらすじ
女子校に通うおとなしい女子、松屋めぐみ。めぐみは本が好きで、「おいも3兄弟」というハンドルネームでTwitterに感想をしたためている。ある日、めぐみの読んだ小説のツイートに「仮釈放」さんという人から返信が来た。
「仮釈放」さんがどんな人なの興味が湧き、相手のツイートを見てみると、街中の文字を1文字づつ写真に収めて言葉を作り、一人でしりとりをしていた。その写真を見ると、どうも近所に住んでいるようだったので、本人に質問してみたところ、本当にご近所さんのようだ。しかし、顔も知らないネットでの繋がりのため、すれ違ったところで分からない。
次の日、めぐみがバス停にいると、後ろからカシャカシャと写真を撮る音が聞こえてきた。見ると一人の男子学生が携帯で文字の写真を撮っている。おそらく「仮釈放」さんだと気づいためぐみは、声をかけてみるが…
感想
このお話が、私は一番好きです!
本を買う前にpixivで漫画を読んだんですが、アイデアもテンポも素晴らしくて、感動したのを覚えています。特に、バス停でめぐみが「仮釈放さん」に気付くシーン最高…
勇気を出して「お友達になってほしい」と伝えためぐみへの林さんの返しも、なるほど!と思うもので、小さい世界ながら先が読めない感じもある、ほっこりほのぼの漫画で癒されました。HN「おいも三兄弟」の由来を話すシーン、声を出して笑いましたw
最後のめぐみちゃんの笑顔が、最高に可愛いんです。仮釈放さん、ますます目が離せません!
3話 「描く派」
あらすじ
中学3年の小松は、休み時間にベランダで干し芋を作っている先輩を見ながら絵を描いていた。よく見ると、その干し芋は小松のキャンパスの上に並べられていた。
チャンスだと思った小松は、その先輩の教室に行き、区のコンクールに出す絵のモデルになってほしい、とお願いする。その結果は…?
ネタバレ感想
まず、出だしで干し芋を制作している林くんに爆笑しましたw「面白い」が普通に置かれているんですよ…。こっちがツッコまないと普通に過ぎ去ってしまうように自然なので、都度都度ツッコミを入れていかないといけません。しかも、干し芋マズいんかい…!
小松はイガグリ頭で野球部っぽい見た目なんですが、絵を描いているんですね。しかも結構上手かった。干し芋を干す林くんを見つめて絵を描いたり、ナチュラルに林くんに「好き」って言ってしましたが、特にBL的な何かは感じませんでした。(あると言われればあると思える程度)
小松の絵の一部に、何故か林くんを描いている小松を描いた林くん、微妙にパース狂ってて、リアルでしたwどこを見ているのかわからない林の目っていう描写、わかる〜〜!!なんか宇宙人ぽいというか、浮世離れしてますよね林くん。小松、解釈一致…
4話「走れ山田!」
あらすじ
毎日お昼になると、マサヒロさんに弁当を買って届けている山田。山田は夜な夜な自分で握ったおにぎりを食べながら、こんな現状を嘆いていた。
そんなある日、山田はトイレでマサヒロさんの財布を拾う。毎日毎日お昼を買わされている山田は、財布を取ってしまおうかと考えるが、何も出来ずに結局届出る。
はっきり自分の意見を主張することが出来ず、損ばかりしている山田だが、ある日マサヒロさんに頼まれたカフェオレを買い忘れてしまった。マサヒロさんに文句を言われていると、なんと上からカフェオレが落ちてきて…
ネタバレ感想
いじめられているのに、深刻さが全然ないです。山田くん本人も、いじめられていることがどこか他人事のような「やれやれ感」があって可愛いけど、心配だけど、可愛い。(笑)山田宅配弁当屋はもう辞めてくれよな!
マサヒロさんはいじめっ子っぽいオレオレな先輩なのですが、林くんのカフェオレの滝と、山田の謀反で、気持ちがスッとしました!内容は息子を心配するお母さんみたいでしたが(笑)かっこよかったよ!
でも、なんか、この漫画に出てくる人、何故かみんな可愛いというか、性根からの悪人ていうのが居なさそうな感じです。いや、マサヒロさんは悪いんですけどね…
林くん、美良っていうんだ〜!なんて読むんだろう…
最後は財布返ってきてよかったね!絶対に幸せになってくれ山田!
【二階堂編】あらすじ・感想
5話「うしろの二階堂」
あらすじ
高校2年生の目高の後ろの席には、学校中で有名な「二階堂 明」がいる。二階堂はジメジメした不気味なオーラを纏う学校中の嫌われもの。数々の恐ろしい噂がまことしやかにささやかれている二階堂だが、目高は二階堂とトイレ掃除でペアになってしまう。逃げられないと思った目高は二階堂に話しかけてみるが、会話は続かない。
ある日、小学校時代に好きだった佐藤とばったり会った目高だが、佐藤は二階堂と同じ中学だったのだという。そこで聞かされた中学時代の二階堂のイメージは、今の二階堂とはかけ離れていて…
ネタバレ感想
明まじ可愛い・・・謝りはしないが、絆創膏をそっと置いておく男…なんて言っていいかわからない…ツンデレじゃないし引っ込み思案でもない、なんか不思議な…虫とか動物みたいな可愛さで超可愛いです。
私もこういう人に絶対興味を持ってしまう人間なので、目高の気持ちがわかります。あと、目高てローでダウナーな感じかと思いきや、イケメンな行動する子だったんだね、、なんだあの声の掛け方は…変顔を内密に行いたいのは、二階堂のためか、目高のためか…BLというよりは「こいつの魅力は俺だけが知ってる!」的な友情の独占欲みたいな感じに、私は取りました。
美しい顔をもった内向的な陰キャって、生きるの大変そうですよね。過去のトラウマ事件、漫画でも辛かったな…人ってみんな人気者になりたいとか、有名になりたいとか思いがちですけど、実際には思っているのとは全然違うんだろうなぁと思うし、ああいう立場になって幸せな人って、逆に普通では満足できないどっかネジが外れた人たちなんだろうなぁ…と思ったりしました。そこは、それぞれ自分の望む世界に行けばいいだけなのですが、華やかに見えるものほど、その影も濃くなるのだろうなぁ…とかそんなことを感じた「うしろの二階堂」でした。
6話「おまけの二階堂」
あらすじ
4話の二階堂視点のお話。目高に「伊藤潤二の漫画に出ていそう」言われた二階堂は、携帯で調べてみるが気分が悪くなり、眠れない夜を過ごした。
そんな時、二階堂はふと自分が「二階堂」というキャラクターを作り上げる際に参考にした人物がいたことを思い出した。入学式でぶつかったある生徒は、「メガネをかけていて気味が悪く、近づいてはいけないタイプ」であった。それは…?
ネタバレ感想
伊藤潤二さんの漫画を存じ上げず、ググって見たんですけど、二階堂っぽくてめちゃ笑いました。妄想の世界に入って一人で考え込む明面白い。「明は昆虫じゃないのよ」にめっちゃ笑ったんですけど、私も「虫っぽい」って思ってたところでした。うとうとの仕方が怖いんですが、それを見て「何かの前兆」っていうクラスメイトの面白さもこの漫画の楽しさですよね〜普通じゃない、全部が。笑
入学式の坊主+ブレザーinズボン爆笑して、息できなくなったんですけど、その次のコマの中学生二階堂のきゅるんとした可愛いお顔見て、幸せな気持ちになりました。顔は可愛いけど、中身はずっとおかしかったんでしょうね。大好きです。
それに、二階堂のお手本が目高くんだったとは…!目高くんも十分ホラー顔だよ。気づいた二階堂の頬染めにっこり可愛いです。かわいいがダダもれです。
7話「うしろの二階堂 恐怖の修学旅行編」
あらすじ
沖縄に修学旅行に行くことになった一行。日本一海が似合わない二階堂は、沖縄でも長袖長ズボンのジャージで過ごしていた。そんな二階堂であったが、やはり旅行でテンションが上がり、ホテルでソフトクリームを食べていると、隣に同じ学校の女子が来てしまった。
二階堂だとはバレていなかったが、普通にしていれば絶対に本人だとはバレないだろうと思った二階堂はメガネを外すが、逆に顔面偏差値が高すぎて声をかけられてしまう。断れないタイプの二階堂は、その女子たちの部屋で怪談大会に招かれたが…。
ネタバレ感想
絶対にジャージをズボンにインする二階堂、可愛いです(涙)ソフトクリーム好きなんだねぇ‥美味しいか…よかったねえ…もう老婆のような気持ちになります…ソフトクリームに目を輝かせる二階堂くんは、赤ちゃんのようで本当に可愛いです。顔がいいって大変ですね。どこにいてもお花が咲いて目立っちゃうのって、目立ちたくない人間からしたら辛いだろうなぁ、と思ってしまいました。
そして、二階堂が好きというよりその魅力にハマってしまっている目高は、恋愛だとかどうというより、こんな二階堂が可愛いんだろうなぁ…と思いました。目高が同室だと二階堂はOFFモードでいられるから楽そうですね。師匠呼び出し…
2人でベッドに寝転びながら、バーベキューボイコット作戦を立てる2人のシーンすごく好きです。BBQもいいけど、みんなの知らない二階堂を独り占めできる目高は贅沢ですよ。
個人的にはBLも読めるので、この話は特に萌え的な感情を感じましたが、和山漫画はそれで終わらせてくれないんですよね…自分の心霊写真に脅かされる二階堂、不憫すぎて笑いました。
「夢中さ、きみに。」はBLか?
こちらは同人誌ではBLというジャンルで発行されましたが、読んだ感想としては、BLというより、同性に対して、友達以上恋人未満の興味のような…愛しさのような、そんな言葉に出来ない感情を描いた作品だと思います。
江間が、ただの変人だと思っていた林の笑顔を見て「かわいい」と思ったのは、多分純粋に「かわいい」という感情で、恋愛における最初の気持ちとも言えなくもないですが、子猫をみたり、小さい子供の笑顔や天然なおじいちゃん、おばあちゃんを見て「かわいい」と思う、慈愛に似た感情なのかなと思います。
ですので、「BLはちょっと苦手…」という方にも楽しめる内容になっていると思います!
もし心配な方は、林編がpixivで公開されているので、試し読みなども合わせて、是非読んでみてください♪
↓↓↓漫画の雰囲気だけ知りたい方に【試し読み】↓↓↓
↓↓↓ガッツリ林編をまるごと読みたい方【pixiv】↓↓↓
#創作 コミティア127 『夢中さ、きみに。』サンプル - ワヤマのマンガ #漫画 #コミティア127 #COMITIA127 - pixiv
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