芸能人やネットの影響で、今やもうお馴染みとなった「HSP」。
「繊細な人」という意味らしいけど、HSPがなんなのかはあまりよくわからない。
HSPと繊細な人の違いってなんなのか、自分はHSPなのか??
そんな疑問を持っている方へ。今更聞けない「HSPとは?」という疑問から、HSP診断、HSPあるあるなど、あなたがHSPかどうかチェックできる診断をご紹介しています。
あなたやあなたの周りの人は、HSPですか?さっそくチェックしていきましょう!
HSPとは?
HSPとは、Highly sensitive person(とても敏感な人)と言う意味です。HSPは感覚が非常に鋭く、先天的な気質として持って生まれた人たちです。
このHSPという言葉は、1996年にエレイン・N・アーロンが考案したもので、世界の5人に一人、人口の約20%が該当すると言われています。
HSPの特徴「DOES」
HSPは、「D.O.E.S」と呼ばれる以下の特徴を持っています。
D … 深く処理する
O … 過剰に刺激を受ける
E … 共感力が高い
S … 些細な刺激を察知する
この特徴がない人は、非HSPです。あまり深くものを考えず、刺激に強く、相手と自分の境界線がはっきりしていて、小さな変化に気づき難い人たちです。世の中の8割はこういったタイプで、日常生活にも違和感を感じないことが多いです。
HSPの種類は4つ
また、HSPには内向的な人と外向的な人がおり、全部で4種類に分類されています。
HSPは内向的な人が多く、HSPの7割は内向タイプ、3割は外向タイプです。
時に内向的な人=HSPと考えてしまいがちですが、非HSPで内向的な人もいます。
HSPは、エンパス・ギフテッドなどと似通った点もあり、実際2015年~2018年の調査ではギフテッドの8割がHSPであるという結果が出ているそうです。
HSPチェックリストで診断してみよう
以下、ご自分に該当する項目の数をカウントしてください。
男女で診断数が違うようですので、以下の表をご覧ください。LGBTの方は心の性でご覧下さい。
20項目以上 … 間違いなくHSP。生きづらさを強く感じるが、その分才能も豊か。
19項目以下 … おそらくHSP。敏感さを活かせる環境を探す努力を。
10項目以下 … 該当する項目の強さによってはHSPだが、日常生活で大きい支障はない。
HSPは、該当する項目が少なくとも、その度合いが強ければHSPと言われています。
やはり、最初にご紹介をした「DOES」が該当するかどうか、が重要です。
HSPあるあるエピソード
感覚が鋭いHSPは、あるあるエピソードでいっぱいです。
人間関係・感覚・行動の3つのジャンルでこんなことはありませんか?
人間関係編
HSPは非常に感覚が鋭く、相手の仕草や声色などから、他の人にはわからないほんの少しの変化に気づき、相手の状況や感情を的確に読み取ることができる才能があります。
他者を理解する能力に秀でているため、パートナーや友人のよい理解者になったり、悩んでいる人の心に寄り添うことができるのです。
しかし、相手を理解する能力があると言うことは、同時に相手との境界線が薄いとも言えます。そのために、強引な相手や粗野な人、依存的な人に容易に自分のスペースに入り込まれような気がして、とても不快になります。
実際、そういう人々は声が大きかったり、使う言葉がキツかったり、批判的だったりするので、一緒にいるだけで疲れ果ててしまいます。
ですから、HSPは非HSPよりも人を選ぶ必要があります。良心的なHSPはそうやって人を選ぶことや、他の人たちと同じようにできない自分に罪悪感を抱きがちですが、あなたの長所を生かすためにも、あなたを守ることがとても重要です。
一部に誰にでも合わせたり、どんな人とも仲良くすることが個性の人もいますが、それ以外の人は好き嫌いがあって当然です。自分の個性を守るために、あなたを置く環境や人は積極的にあなたが選ぶと言う責任感を持てば、毎日が心地よくなっていくと思います。
感覚編
HSPは感覚が敏感で、他の人が気づかない環境の変化によく気づきます。
特に、触覚・視覚・味覚・嗅覚・聴覚は一般的なそれよりも鋭く、ほんの少しの違いでも刺激として受け取ってしまうため、時に強すぎる刺激が精神に影響を与えてしまうことにもなり得ます。
また、所謂勘や直感などの第6感と呼ばれるものは、HSPではなくスピリチュアル的な概念であるエンパスの管轄と言われていますが、HSPの中にはエンパス体質である人もいるため、それが合わさると、さらに外界から情報が流れ込んでくることになります。
※5感は、西洋占星術では主に「牡牛座」の管轄です。ホロスコープのどこかに牡牛座が入っている場合は、HSPではなくとも「空腹になるとイライラする」「暑いのも寒いのも好きではない」「雨に濡れると不快で機嫌が悪くなる」などの特徴が現れることがあります。
行動編
HSPは、他の人たちの楽しみである「飲み会」や「雑談」がとても苦手です。目の前に人がいるだけで大量の情報が入ってくるので、それ以上の刺激はいらないと感じるか、不快かのどちらかです。
ですが、コミュニケーションそのものが嫌いなわけではなく、お互いが興味のあることについての深い洞察や、意見交換などはとても楽しく感じます。
日常の小さな変化を楽しめるHSPは、静かでささやかなものに感動します。内省することに深い満足を感じることも多く、本を読んだり、文章で自己表現をしたりします。
大事な話は直接ではなく、文章でしたい、と言う人も多いでしょう。
HSPは「生きづらい」と感じることが多く、マイナスに捉える人も多いですが、他者理解や芸術的な能力は、上手く活かせば素晴らしい才能となり、他者を感動させることができます。
HSPなのに、刺激を求めてしまう人は
おそらくHSPだけれど、特定の刺激を求めて行動してしまう人は「HSS型HSP」と呼ばれる刺激追求型HSPである可能性が高いです。
以下でチェックして、ご自分の特性を確認してみてください。
外向的なHSPさんは
上記は、主に内向的なHSPについてのあるあるです。繊細は繊細だけれど、自分は人と話すのが好き、一人でいると落ち込んでしまう、という人は外向的なHSPの可能性があります。
外向的なHSEに関しては、以下の記事にセルフチェックやよくある悩みなどをご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
HSPの私のエピソード
私はHSS型HSPなのですが、幼い頃から「花火が怖い」「カフェインが全くダメで、飲むと倒れる」「すごく傷つきやすい」「遊園地の遊具が怖くて泣き叫ぶ」など、過剰に敏感なところの目立つ子供でした。
「自分はおかしいのだ」と思い、成長するにつれていくつかのことは克服できるようになりましたが、変化しないところもあり、「生きているだけで、何故こんなに制限が多いのだろう」と悩むことも多かったです。
例えば、昔からジェットコースターが苦手でしたが、遠足や修学旅行などで何も乗れないことが嫌で、無理矢理克服しました。今では昔ほど恐怖は感じませんが、いまだにUSJの乗り物は怖いです(笑)
カフェインの中でもコーヒーには特に弱く、飲みすぎると目眩が止まらず立てなくなるので飲みません。
温泉宿などで緑茶を飲むと朝まで眠れなくなるので、少量だけにするか、白湯を飲んでいます。
それから、すぐに泣いてしまったり、ショックを受けてしまうことも悩みでした。
小学生4年生くらいのとき、学校の体育館で戦争に関する映画を見ていたのですが、あまりにも辛く可哀想で、我慢ができず泣いてしまったことがあります。それ見た周りにしつこく揶揄われたことがいまだにトラウマで、いまだに映画は一人でみたいですし、泣いてしまいそうなものは映画館では見ないようにしています。
そもそも映画館の距離感が苦手で、最近の「1つ空けて座る形」でない限り、物理的に息苦しくなってしまいます。また、知らない人、特に粗雑で物音をずっと立てているような人がいると、映画に集中できませんし、嫌な気持ちになってしまいますので、出来るだけ映画館には行かないようにしています。
その他、学生時代はテストなどでも、隣の席の人がシャーペンをカチカチしていると気になったり、社会人になっても隣の上司が貧乏ゆすりをしていたりすると、無駄にストレスを感じていました。
しかし、周りの人全てをコントロールすることは出来ません。他人を私の思う通りに行動させると言うのはおかしいとも思います。だからこそ、自分の特徴にとても悩み、時には「傲慢なのではないか」と自分を批判したこともありました。
しかし、自分はHSPなんだと知ってからは、「自分はこういう人間なんだからしょうがない!」と開き直れるようになりました。
考え方も変わりました。
自分も周りも悪くない。だからこそ、周りをコントロールするんじゃなくて、自分がどこにいるか、誰と付き合うか、どう振る舞うかを自分で決めよう!と思えるようになりました。知らず知らずに周りの普通に合わせ、依存的になっていた自分に気づき、心から反省しました。
もちろん、HSPで良かったこともたくさんあります。何かを深く追求することが好きなので、1人で居る時間はいつも豊かですし、趣味などが楽しく人生が退屈だったことはほとんどありません。美しい音楽や小説などの世界に入り込むたびに、心震える体験をします。
また、数は少ないですが本当に心から大切に思える友人もいますし、人の気持ちが理解できるからこそ仕事で有利に働くことも大いにありました。
私はずっと昔から、心の底ではHSPの自分が好きでした。しかし、人に依存されたり、普通の生活が苦痛だったりしたことで自分を嫌いになりかけていましたが、自分で自分に合う環境に向かえばいいだけだと気づきました。
今では、自分をよく知り、そんな自分がこの世界でいかにうまく生きていけるか、自己責任で決めて動くように心がけています。
まとめ
いかがでしたか?
HSPは人数が少ない上に内向的ですので、あまり自分がこういったことで悩んでいることを人に話しません。だからこそ、自分だけおかしいのでは、と感じる人も多いと思います。
しかし、例えHSPであってもなくても、色々な人が居て、その人たちがおかしいなんてことはないのです。もちろん人を意図的に傷つけたり、法を犯したりするのは違います。しかし、そうでないのなら、色んな人がいて当然で、皆ありのまま生きる権利があると思うのです。
私は、みんながみんなの個性をうまく活かして、世界に一人だけの自分とうまく付き合えるようになれば、もっと素敵な世界が実現するのでは?と思っています。
この記事を読んでくださった皆さんの一人でも、自分を許し、認め、自由にしてあげることができたら、私はとても嬉しく思います。
HSPは自己肯定感が低い人が多く、そのため、色々な傷を抱えて生きています。HSPは遺伝やDNAなどに関係する性質ですが、自己肯定感はカウンセリングなどによって、変化させることが可能です。
例えば、過去に誰かにバカにされたこと傷つけられたことなどを、信頼できる人に話し、痛みを手放すことによって、過去を過去にし終わらせることができます。
もちろん家族、恋人、友人に話しをしても構いません。しかし、適度に距離があるが信頼できる他人(これがとても重要です)に話を聞いてもらうことが、とても高い効果を発揮する場合もあります。